約束のネザーランドドワーフ
ある日、兎が森を歩いていると、大きな狼に出会いました。
「お前を食べてやるぞ」
狼は大きな声で言いました。
「食べないで!」と兎は叫びました。
「じゃあ、お前を食わないという約束に、大きな骨を持ってこい」
「はい! 喜んで!」
兎は大きな骨を探しに森の奥へ駆けていきました。
兎は森の奥でとても 大きな熊に出会いました。あの大きな狼よりもっと大きな熊です。
「熊さん、熊さん。この辺りに大きな骨はありませんか?」
兎が尋ねました。
「なんだ? お前みたいなちっこいのが大きな骨なんて食べられるのか?」
熊はとても大きな声で言いました。
「違うんです。僕じゃなくて、大きな狼さんに持っていくんです」
「そうか……では、お前に大きな骨をやるという約束に、俺をその大きな狼の所へ連れていけ」
熊は何かをひらめいて言いました。
「はい! 喜んで!」と兎は喜び勇んで熊を狼の所まで案内しました。
「お前! 大きな骨ってそれ……」
狼は自分より何倍も大きな熊に驚いて言いました。
「狼さん、違うんです。僕が熊さんを狼さんの所へ連れて行けば、大きな骨をくれるって熊さんが約束してくれたんです!」
「そうだ。兎と俺は約束した」
熊は狼を見据えて言います。
「俺をここへ連れてきたら大きな骨をやるっていう、ただ一つの約束をな――」
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