　ビールが大好きな双子がいた。

　兄の太郎は「ビールは身体に悪い」と言うことを妻であるワイン好きのかず美に聞かされ、ビールをやめてワイン党になった。

　弟の次郎はそれを聞いてもビールを浴びるように飲み続けた。

　行きつけの飲み屋で、次郎と間違われた太郎は知り合いからビールを奢られた。

　家に帰った太郎はビールを飲んだことを不安に思い、かず美に「大丈夫だろうか？」と確認した。

　かず美は「あんた、死ぬわよ！」と一喝した。

　太郎はその後すぐ、虚血性心疾患により死亡した。

　弟の次郎は、太郎が死んだことでビールを飲むことをやめたがストレスが溜まり、飲み屋で傷害事件を起こした。

　かず美は受け取った太郎の生命保険金や遺産で、年代物の高級ワインを買い漁った。また、飲むだけでは飽きたらず、ワイン風呂にも浸かるようになりワイン三昧の日々を送ったが、その日々は長くは続かなかった。

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