名前

 二人に連れられた私は、研究所とやらに連れていかれ、そこでハヤブサのアニマルガールだということなど、いろいろなことを教わった。

「ハヤブサの特徴といえば、やはり急降下ですかね。その最大時速は390km/hと、世界でもトップクラスのスピードを誇ります。…!そういえばハヤブサさんはこの姿になった時、どこにいましたか?」

「確か崖の上だったはずだ。おかげで生まれた瞬間に死ぬ所だった」

「それは運が良かったのか悪かったのか…。ハヤブサは断崖絶壁に巣をつくり、そこで子作りをします。もしかするとちょうど子供を育てるような時期だったかもしれません。旦那さんか奥さんかは分かりませんが、今頃苦労しているかもしれません」

「…私が悪いのか?」

「いえ、ハヤブサさんは悪くありません。どの個体がアニマルガールになるのか、それは誰にも分かりません。それに偶然その場所にいただけかもしれないですし、あまり気に病まなくてもいいと思いますよ」

「うむ…ありがとうございました」

「どういたしまして」


「ハァイ、お疲れさま。どうだった?」

 ハクトウワシ殿が早速声をかけてきた。

「どうやら私はハヤブサというようだ」

「なかなかいい名前じゃない」

 タカも来たようだ。

「ありがとう」

「さて、これからどうする?」

 どうする、か。

「まずは寝床探し、だな」

「それなら私たちが住むホートクチホーに行きましょう。私たちと同じような種だし、住む場所も似てるはずよ」

「確か崖に巣を作ると言われたな」

「グッド!ホートクチホーなら崖には困らないわ。行きましょう!」

やはりこの人(人?)たちは頼りになる。

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