ほしいもの

Iris

第1話:思惑

カオル「ねぇ、もうすぐクリスマスだね」


部活の帰りに後ろから声をかけられた。


ユウ「あぁ、お疲れ、何か欲しいものでもある?」


カオル「高くてもいい?」


ユウ「・・・ムリ」


カオル「ははは」


高校2年の夏休み明けから付き合い始めたから3ヵ月が過ぎた。


付き合い始めたといってもどちらかが告白したわけではないのであいまいな感じがする。


部活は弓道部で部員数は3学年合わせても少ない。


夏休みに暇すぎて部活に来ていた率が高かったのでなんとなく一緒にいる時間が増えていった気がする。


駅まで歩きながらユウ「それで何かプレゼントされたいの?」


カオル「不思議な言い回しだね」


ユウ「・・・確かに」


カオル「う・・・ん、まあ・・・あると言えばあるかな」


ユウ「へぇ、何?」


カオル「ナイショ」


ユウ「それじゃあ、プレゼントできないよ」


カオル「・・・ああ、そうだね」


ユウ「どうかな・・・3000円くらいならいいよ」


カオル「え?ああ、うん」


ユウ「足りない?」


カオル「だいじょうぶ、そんなにしない・・・じゃあ私も3000円くらいまで」ユウ「いいの?」


カオル「考えておいてよ」


ユウ「そうだな・・・一緒にショッピングモールに買い物しに行く?」


カオル「そうだね、24か25の都合のいい方で遊びに行こうか?」


ユウ「いいよ」


カオル「うん」


電車が来てわかれる。


・・・とは言ってみたものの、さてどうしようかな・・・


2人とも弓道を選択した理由はなんとなくかっこいいからとそんな感じだった。


容姿は十人並みという言い方がしっくりくる感じで2人ともやせ形で背が高かったので袴姿は意外とにあっているらしい。


弓道の試合での成績は的には当たるからそれなりに楽しめていた。


勉強も運動の成績はいたって普通、だからかな・・・近い人間のような気がして親近感があるというか・・・


ユウ(それにしても、何が欲しいのかな?・・・あ・・・私もほしいといえば欲しいものがあっあな・・・)


思いついてしまったら、クリスマスが待ち遠しくなってしまった。

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