「光（ひかる）は本当、泣き虫だよね」

「うるさいっ！泣いてないから！」

　あの日、俺は転んで膝を擦りむいた。手当をしたくれたのは君で、僕の手を握り一緒に帰ってくれたよね。

「男の子がそんな簡単に泣いちゃダメなんだよ？いい？これからは、何があっても泣いちゃダメだよ？」

「だから！泣いてないってば！」

　一つだけお姉さんの君は、いつも俺を子供扱いしてたっけ。

「俺、約束守ってるよ･･･」

　そんな君は、笑顔のまま何も答えてはくれない。

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