足元の鼓動区

イトシン【凡人】

第1話

少女の名前はアニー。

右腕には傷のようなイボのようなものが肩から手首に向かって一列に並んでいる。

そのイボが原因か彼女の生い立ちが原因か彼女は学校で孤立していた。


彼女は進学を機に遠方の学校へ進学する。

新しい環境を求め彼女が選んだ学校は "魔法学校 Prism"

魔法使い族ではない彼女がこの学校に入学したことは相当の努力があってのことである。




これまで自分を育ててくれた両親の元を離れ引越しの片付けも終わらないまま始まった彼女の新生活は早速孤立していた。


彼女が進学した"魔法学校 Prism"はこの国に数ある魔法学校のなかでも鉱石魔法に力を入れている学校である。

精霊魔法などの魔力が重要視される分野と比べ鉱石魔法は鉱石の質や魔術式などが重要視されることもあり彼女はこの学校を選んだ。


ただそのことを踏まえても魔法学校に魔法族でない人間の彼女が入学するということは、魔術の出来に関わらず十分差別を受ける要因になった。


「あの人間、いつまでここに残るつもり? いつ自分がここにふさわしくないと気付くのかしら?」


「血統魔法ももたないのによくいるよな」「メンタル強ええ」



いろんな生徒が彼女を影で笑っている。

魔法族は人間に比べて多くの知恵をもっていたし魔法を使うことで発展してきた部族である。

人間が科学を使い魔法に近いこと可能にし始めた近年、

魔法族のまねごとを始めた遅れた部族だと人間と魔法族の間には大きな谷がある。


腕の傷は隠さなければ...

私の居場所は作れなくなる。


彼女は今日もそう想いながら身支度を済ませ学校へ向かう。









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