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 衝撃の遊びを提案したルチアちゃんは、たったとクータ君を引っ張ってきた。それからきょとんとしたクータ君を俺の目の前に連れて来て、自分はどこからか取り出した花冠を頭に乗せてゆっくりとした足取りでやって来た。

「ちゃんちゃちゃーん、ちゃんちゃちゃーん」

 登場曲はセルフサービスだ。

 クータ君の隣で立ち止まると、顔を上げて俺に言った。

「しんぷさま、わたしたちけっこんします」

 どうやら俺はいつの間にか神父になっていたらしい。

 どうしたもんかなと黙っていると、ルチアちゃんがキッと睨んでくる。まぁここまで来たら付き合ってやるしかないか。

「クータ君、良い時も悪い時も、健やかなる時も病める時も、これを愛し助け敬い慰めることをここに誓いますか」

 そう言ったものの、当のクータ君はキョトン顔だ。すかさずルチアちゃんが肘でツンツンする。

「ちかいますっていうの」

「? ちかいます?」

 完全に言わされているけども、ルチアちゃんは満足顔だ。

「ルチアちゃん、良い時も悪い時も、健やかなる」

「ちかいます」

 即答かよ。

 と、誓いのキスは? ここは誓いの握手とかにするべきだよな? 普通に考えて。

「誓いの」

 キスはするのか? と言い終わる前に

「きすよね! きす!」

 と強めに言う。食い気味だな! ってマジでするのかっ!? なんておっさんの変な焦りを全く無視してルチアちゃんは身を乗り出す。

「ちゅー!」

 と、キスをしたのはクータ君のほっぺだ。それを見てなぜか安心する。

「これでるちあちゃんとくーたくんはけっこんしたのよ」

「へぇ」

 キラキラした笑顔のルチアちゃんとは対照的に、クータ君は意味が分からないまま笑っている。

 女の子って、いくつでも女の子なんだなぁ。なんて、感心? 驚き? 納得?


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