四葉の指輪

カゲトモ

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 少し前に出来た小さな友達と初めて出合った小さな公園。そこは商店街と飲食店街の境の場所にあって、日の高いうちは意外と子供が遊んでいたりする。もちろん、コタロウの時のように声を掛けることはそうそうない。

あの時は泣いていたから声を掛けただけで、普通はスルーなのだが、まさかそっちから話し掛けてくるなんて。

「おじちゃん」

「お兄さんな」

「いいからちゃんときいて」

「なんだよ」

 小さな手でグイグイとズボンを引っ張ってくるのは、ルチアと名乗った女の子だ。うん、もちろん知らない子だ。

 このルチアちゃんと出合ったのはほんの一分ほど前で、しかも何の前触れもなくだった。


 ランチに広島焼きが有名な鉄板焼き屋でご飯を食べて、さーてと店で一服でもするかなぁと公園を横切った時に、ふと二人の小さな子供が居ることに気付いた。

 奈々子よりは年上、コタロウよりは年下の、五歳くらいの男女の子供だった。

 子供が遊んでいるなぁ、くらいの気持ちでそっちを見つつ歩いていた時、急に女の子の方が走って来たのだ。

『おじちゃん! ちょっときて!』

『は』

 有無を言わさぬまま小さな手は俺のズボンを握りしめてグイグイと公園へ連れ込んだ訳で。それで今この状態だ。

「何、何するの」

 とりあえず意味が分からぬまま視線を合わすようにしゃがみ込む。こう見ると、ルチアちゃんは稀に見る美人さんだ。その割に三つ編みの髪や配色がレトロはワンピースのギャップが、何とも言えない可愛さを醸し出している。将来美人になるんだろうなぁ、なんて。

「おじちゃんは」

「お兄ちゃんな」

「おじちゃんでしょ?」

 そんな無垢な瞳で首を傾げるな。きっと君のパパとママは俺より若いんだろう、そうなんだろう。俺はもうお兄ちゃんではないのか。

「もういいよ、おじちゃんで」

「?」

「そっちの子はいいの?」

 男の子の方を指差すと、ルチアちゃんは「いいの」と言った。

「くーたくんにはもういってるから」

「いってるから?」

 クータと呼ばれた男の子は、こっちのことなど全く気にしていない様子で滑り台に夢中になっている。この二人の関係って一体なんなんだ?

「で、これから何するんだ」

 こんなおっさん引き入れて。ママゴトでもするのか? そんなに上手く遊べる自信ないけど。

「これからけっこんしきごっこするの!」

「結婚式ごっこ!?」

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