青のページ
ミーシャ
かもしれなかった
僕は
激しく憎んでいるのかもしれなかった
自分を子ども扱いし
あまりに干渉し過ぎる母親を
僕は 憎んでいるのかもしれない
そんなとき僕は 父親を思い出し
乾いた血のつながりの
さわやかさを想像するのだった
しかしそれは
全て夢に過ぎないのだろう
僕は 母親の身勝手さを
憎んでいるのかもしれなかった
よくわかっているつもりであったのに
肝心なところで 理解できない行動をとる母親を
心底 憎んでいるのかもしれなかった
何故彼女は いきなり盲目になり
僕を 自分の所有物でないと許せないような
そんな
死んだような目をするのだろう
僕は何も言わず
彼女の所有物のふりをして
自分の身をかがめた
これは隷属だと
わかっているのかもしれなかった
母親は 僕が自分を憎んでいることを
わかっているのかも しれないのだ
それなのに僕は ずっとこのままではないかと
わかっているのかも しれなかった
それはいったい どういうことか?
僕は
心臓近くの動脈が規則的な運動をするように
ただ ただ 母親を
憎んでいるのかも しれなかった
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