拝啓、桜色に溺れる。
泡科
拝啓
拝啓
拝啓
あの頃の僕らへ
夕景は遠く、群青は夢の中に見えた。思い出に咲いた桜が、今日もつま先を染めていく。
僕らはいまだ夢と現実の間を彷徨したままで、人生というものと、自分というものをずっと探し続けている。
手元に残ったのは、いつも過去のものばかりだ。
無人の駅、夏の暑い空気、淡い夕景と馬酔木の色。美しい紅葉に、群青に消えていった日々や、懐かしいクッキーの味。そして、満開の桜を思い出す。
そうして、現実は桜色に溺れていったのだ。
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