第2話 出会い

私と彼が出会ったのは、今流行りのSNSというやつだ。


私は、ATMの使い方も知らなければ、世の中にどんな人間がいるかも分かってない


のほほんと毎日を過ごしている女の子だった。


そんな私が、その頃興味をもっていたことといえば、


友達が始めたHPやブログの閲覧、自己のHP作成や更新などだった。


自分のHPを作るのはいいが、友達と見せ合いっこするのに気が引けていた私は、


第2の自分を作り、その自分でHPを作った。


今までの自分の過去だったり、スピリチュアル的な趣味を書き綴り、


日頃のストレスのはけ口に使っていた。


いわゆる自己満HPというわけだ。


だが、自己満ですんでいたものが、やがては誰かと共有したいという欲望へと変わり


いろんなサイトに自分のHPのURLをのせる状態へと変わった。



そんなある日、1つのコメント通知が届いた。


男性の方からの、同じ趣味をもっているというコメントだった。


その日からHPでのやりとりが始まり、それが携帯へと変わっていった。


同じ趣味の人を見つけられて嬉しかったのと同時に、


画面の向こうの彼に好意を抱いている自分がいることに気づく。


そして、彼から付き合ってほしいと言われ、


私は迷わず「はい」と返事した。


どこに住んでいるのかも、顔も知らない彼を私は好きになった。

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