転生後初エンカウントは魔王でした
熾埜
プロローグ
「新堂さん。あなたは死んでしまいました。」
「新堂 煉さん。あなたは死んでしまいました。」
「えっと、あなたは誰ですか?それとここはどこですか?」
「私はあなた方の世界でいうところの女神みたいなものです。あなたはトラックの運転中に交差点を飛び出してきた学生を避けたところ、電柱に衝突して亡くなりました。ここは、人が死んだ後最初に来る場所です。死後の世界の入口のようなものですね。」
「なら俺はこれから天国か地獄に連れていかれるんですか?」
「いえ、あなたはもし望むなら異世界に転生することが出来ます。それと、もう少し砕けた話し方でも構いませんよ。」
「分かった。それで、どうしてそんなことに?そもそも異世界なんて存在するのか?」
「それはあなたの死が私のミスによるものだからです。」
「どういう事だ?」
「地球は私を含め6人の女神で管理してるんですけど、私の担当地域の一つである日本で本来死なないはずの人間が死んでしまいました。」
「それが俺ってことか。いい迷惑だな。」
そうは言いつつも実はオタクであった煉は異世界と聞いてかなりワクワクしているのであった。
「本当に申し訳ありません。それでただ転生させるのでは謝罪にならないと思ったのでなにか一つ異能を差し上げることにしました。」
「それって好きな能力を決めたりできないのか?」
「いえ、あちらの世界についた時にランダムで決まるので決めることはできません。ですが通常のものより強いことは確かです。他に聞きたいことはありませんか?」
煉は一番気になっていたことを聞くことにした。
「ところで向こうはどんな世界なんだ?ついたら最初何をしたらいい?」
「地球でいうところのファンタジー世界ですね。魔物もいますし、魔法などもありますよ。あちらについたらまずは『ステータス』と言ってください。そこで異能なども確認できます。」
「分かりました。ありがとうございました。」
「では、異世界での幸福を祈ります。」
──そうして俺の意識は闇に沈んでいった…
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