君を忘れない
@KIRA31RI
第1話
「はっ、はあっ、、、はっ、、、はあっ、、、」
私は今、あの人のもとへ走っている。
今日は◯月◯日。
空は晴れていて、とても暑い、、、。
汗をかいていることなんて気にならないくらい全速力で走っている。
(早く、、、早くあの人に会いたい、、、!)
(この角を曲がれば、もうあと少し!大好きなあの人の待つ思い出の場所)
「はっ、、、はっ、、、はっ、、、ついた、、、。」
「たいちゃん来てるかな、、、?」
『、、、美春?』
「あっ、、、たいちゃん!」
私は、彼へ駆け寄った。
「たいちゃん!会いたかった!」
『俺も美春に会いたかった、、、。』
「この場所良く2人で来てたよね!私の大好きなひまわり畑!」
「たいちゃんちゃんと覚えてくれてたんだね♪ありがとう♪」
と喜ぶ私を見ている彼に少し違和感を覚えた。
「たいちゃんどうしたの!?身体中傷だらけ!来る途中に何かあったの?」
彼は黙ったままだったが、その頬には涙がつたっていた。
「どうしたの?たいちゃん!話してくれないと分からないよ!」
彼がゆっくりと口を開いた。
『美春。今日、なんの日か覚えてるか?』
「えっ、今日?、、、今日は、たいちゃんと5年ぶりに会う約束をした日!」
「その他になんかあったっけ、、、?」
『いや、美春の言う通り。10年前の今日は、俺と美春が再会を約束をした日だ。』
「ん?10年前?、、、どういうこと、、、?」
「たいちゃん、今日は◯年◯月◯日だよね?もー!何言ってるの?笑」
「たいちゃんおかしくなっちゃったの?笑」
と笑って返す私を見つめる彼の顔は笑っていなかった。
「えっ?どういうことたいちゃん?」
「今日は◯年◯月◯日で、たいちゃんとここで待ち合わせた。違う?」
『確かに俺と美春はここで待ち合わせた。でも、その日、、、。』
と彼は言葉を詰まらせる。
「でも何?なんなの!?」
、、、っ!!!
「たいちゃん、、、もしかして、、、。」
「嘘だ!嘘だよね!?その体の傷!嘘だ!嘘だ!」
わたしは、彼の体の傷とあの日あったことを思い出し、、、
彼が死んだとさとった、、、。
「あの日も、今日みたいに走ってたいちゃんに会いに行って、、、。」
「その途中に事故にあいそうになったのをたいちゃんが助けてくれて、、、。」
「そのあと、、、。」
『美春、もういいから。その話はもういい!』
わたしは彼に駆け寄り抱きしめ
「ごめん、ごめんね!たいちゃん!、、っ。私のせいで、、、っ、ごめん、、、。」
「、、、、っ?、、、あれっ?私の手透けてる、、、?」
『美春!!!』
「あっ、、、あはは、、、。たいちゃん、死んでたのは私の方みたい。」
『美春!!!』
「ごめんね、ごめんね、たいちゃん、、、。」
「今日のこと忘れないでいてくれてありがとう。私のこと忘れないでね?」
『美春!!!行かないでくれ!!!行くな!!!』
「ありがとう、たいちゃん。でも、もう行かなくちゃ。ありがとう。じゃあね。」
『美春ー!!!』
美春、俺は来年も再来年もお前を待っている。
また美春に会えると信じて、ここに戻ってくる。
だから、美春も俺を忘れないでくれ。
俺は、ずっとずっと君を忘れない。
END
君を忘れない @KIRA31RI
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