第5話 空中チーム

 ジェットには関係のない人間が3人も居る。

 しかも、3人とも自分達と仲良くしてくれてる人達だ。

 勝手な事をしているという気持ちはある。

 どんな叱りが待ち受けてるのか、容易に考えは付く。だが、これに関する事は自分達の信念を曲げることは出来ない。


 トモ・ボスは、自分達にも、ジュニアと同等の食事を提供してくれた。メカに興味を示し、暇を見つけるとキラキラと目を輝かし、ジェット内を探検していた。

 ユウマは、同じ様にキラキラと目を輝かして、探検させて欲しいと言ってきた。

 タカは、「7人乗りのヘリなら操縦出来る」と言って、免許証を見せてくれた。

 3人は違うようでいて、自分達と同じぐらいメカを大事に丁寧に触れ、優しい目をして見ていた。時には掃除や点検時にも覗き込んだり手伝ってくれたりしていた。

 その3人を、ドイツに連れて行くことは出来ない。

 片道切符になってしまうからだ。

 だから、オーストラリア圏内の上空を回っていた。


 ユウマが声を掛けてきた。

 「パースからメールがきた。ヘリを飛ばすので座標を教えて欲しい」と。

 エドワード様のヘリだろうと思ったので、座標ではなくジェットのIDを教えた。


 暫く経つと、地上からヘリが上がってきた。

 ヘリが完全に雲から出てきて、『御』とエドワード様の紋章を確認するまではしない。確認すると、クルー達は自分達で行動を起こした。


 空中でドンパチは避けて欲しい。

 口には出さないが、誰しもが思っていた。

 そうすると、ヘリから連絡が入ってきた。

 エドワード様だ。

 「トモ・ボスは…3人共、無事なのか?出来るなら、穏便に済ませたい」

 クルー達にとっては嬉しい言葉だった。

 そのメッセージを受け取ったクルーは、こう応じた。

 「格納庫のハッチを開けます」と。


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