縞瑪瑙の叫び
のりぞー
第1話 アイスクリームを取って欲しいの
康平は焦っていた——秋から始まる講義の教科書を買わなければならないことを忘れていたからだ。大学の教科書は意外に値段が高い。親からの仕送りのみで生活している康平にとって、それは大きな痛手であった。実家は決して裕福なわけではないため、親に追加で仕送りをさせるのは彼にとっても気がひける。故に、アルバイトをしようという考えに至るまでそれほど時間はかからなかった。康平は携帯を手に取り、求人募集をネットで調べてみることにした。コンビニ、スーパー、飲食店……、ジャンルはさまざまある。アルバイト経験がない康平にとって、全く勝手がわからないため、とりあえず適当に電話してみることにした。
数件ほど電話をし、康平はスーパーの面接を取りつけた。そこは康平もよく利用している近所のスーパーだった。年末年始に向けて人員を募集していたようだ。面接は明日と急であったが、今は夏休みである。授業もないので
縞瑪瑙の叫び のりぞー @norizoh
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