奪 い 合 い
@miu_itigo
第1話
グサッ
「えっ....なんっ..で....あんたっ....が.....」
バタッ
わたしはそこからの記憶がなかった。
「あの服よくない?」
「たしかに!!かわいいよね〜!!」
"双子みたい"・"ほんとに双子じゃないの??"そんな言葉はもう聞き飽きたくらい何回も聞いた。
それくらい私たちは似ていた。
身長、髪の長さ、好きなもの、だいたい全てが一致していた。
もちろん名前も私が日和(ヒヨリ)であの子が陽夜(ヒヨ)。
年は大学2年生。
顔もすごく似ていた。
しかし、そんな私たちにも違うものが1つだけあった。
それは、、、、
す き な ひ と
だ。
好きな人だけは、今まで1回も一致したことがない。
これは神様がライバルにならないように仕組んでくれたから?
わからないけど、同じにならなくてよかった。
この日は、2人で渋谷に買い物に来ていた。
もちろん目的は洋服!!!!!!
当たり前のように双子コーデで街をぶらついていた。
すると、、
「ねぇねぇ君たち!いまひま?」
大学生くらいの2人組の男性に話しかけられた。
私たちは、自分で言うのもアレだけど結構かわいい方だ(と思う)。
なので、ナンパは日常茶飯事みたいなものだった。
いつもは断ってるが、今日は2人のうちの片方がタイプだったので誘いに乗ることにした。
そして、ファミレスでお昼を食べようと言う話になった。
「いやぁ、こんな美少女が俺たちの誘いに乗ってくれるとは...感動するわ..!!!なっ、悠馬!」
「真也、お前うるさい。」
「なんだよ冷たいなぁ〜。いつもはかまちょなくせn..」
ボコッ
「いって!!なにすんだよ、いきなり!!」
「変なデマ流すな。あとこの子達、俺たちが話しすぎて固まってるぞ。」
「あっ...」
クスクス
少しおかしく感じて、私たちは笑っていた。
「あー!!笑ったなー!?」
「きゃー!!ごめんなさい!笑」
「結局笑ってるじゃねーか!」
「しょーがないじゃない!2人の会話がおかしいんだもの笑」
そんな会話をしながら、私たちはお昼ご飯を済ませた。
その後、4人でカラオケに行くことになった。
「おっしゃ、何歌うかー。」
「真也くんはなに歌うの〜?」
「俺はなぁ....」
陽夜が、真也くんと仲良くなってるのをみて、私は悠馬くんと話すことにした。
「悠馬くんって、カラオケ好き?」
「んー。俺は苦手かな。音痴だし。」
「えーっ!!歌うまそうなのに!!意外〜!」
「俺より真也の方が.....」
なんだかんだで2時間経っていた。
「ごめんっ!!そろそろ帰らなきゃ!!」
陽夜のこの一言でみんなが帰るという雰囲気になった。
「あっ、待って!メアドと電話番号交換しないか?」
「いいよっ!!」
そして、それぞれのメアド・電話番号を交換し、帰ることになった。
「ねぇねぇ日和。」
「なぁに?」
「日和って今日の2人、どっち狙ってる!?✨」
きっと、陽夜は真也くん狙ってるんだろうな。
そんなこと思いながら、
「私はね〜悠馬くんかな〜。」
そう答えた。
「えっ.....」
場の空気が一変した。
「どうしたの?」
いつもの調子で陽夜に聞いてしまった。
それがいけなかったのか、私が悠馬くんをいいなって思ったのがいけなかったのか正直わからなかった。
「日和も..悠馬くんなの..??」
「"も"ってことは...陽夜も..??」
初めて2人の好きな人が一致した。
「あはは...そっかぁ...私たちライバルなのかぁ....あはは....」
「ひ、陽夜...??」
「でもさ...私の方が断然かわいいよね...???日和より....私の方がかわいいよね...???まさか...悠馬くんが日和を選ぶとか....絶対にないよね...??」
「陽夜?どうしたの?」
ポンッ
陽夜の肩に手を乗せた瞬間私は後悔した。
なぜ、陽夜の肩に手を乗せたのか。
なぜ、陽夜に触れてしまったのか。
「やめてっ!!!!!触らないでっ!!!!!!」
バンッ
陽夜に手を振り払われて思いっきり押された。その瞬間、私は一瞬浮いた。
ドンッッッ
「いっ..!!!」
手から着地をしてしまい、変なふうに手をひねってしまった。
その後、今まで感じたことのない激痛に襲われた。
多分、骨折か捻挫したのだろう。
「はぁ....はぁ....日和なんかに.....日和なんかに負けてたまるか..!!!」
「陽夜......??」
この日から、陽夜はおかしくなってしまった...。
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