第23話
「おい、何撮っているんだ?」
「ちょっと待ってくれ」
桜井はスマホで撮った写真を、ソフトを使って白黒にしたり反転させたり、いろいろと色の調整をしていたが、やがて言った。
「よし、このくらいでいいかな。ちょっと見てみてよ」
上条が見ると、白黒に近い岩の写真で、岩の上に何かがった。
――これは?
よく見てみると、なんだか文字のように見えてきた。
文字だとしても、達筆すぎて何を書いているのかはわからなかったが。
「なんだ、これは?」
「お札だよ」
「お札?」
「抜けたんだね」
「抜けた?」
「お札は紙に墨汁で書いてある。それをどこかに貼り付ける。すると紙は長い年月で劣化して、細かく剥がれ落ちてついにはなくなってしまう。しかし墨汁は、そのまま岩に染み込みそこに残る。これを抜けると言うんだ」
「そうなんだ」
「そしてここには同様のものがいくつもあるはずだ。岩が黒っぽいのでわかりにくいけど、とにかく探してみてくれないか」
「わかった。おい木本」
「聞いてたよ。こんなところで内緒話なんか出来やしないぜ。岩の上に文字があるから、それを探せばいいんだろう」
三人で探した。
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