第17話

「ドッグ、パーティ、フィールド……なんだこれ?」


「日本語にしてみてよ」


「ドッグは犬だよな。パーティフィールド……って、なんだあ」


「パーティフィールドは田んぼだよ。田んぼ」


「だから?」


「全部日本語にすると、どうなる」


「犬と田んぼ」


「それで」


「それで?」


「もう、犬田だよ。犬田」


「あっ、そうか」


「自分の名字をただカタカナ英語にしただけの、単純なハンネだよ」


桜井はこう言うとき、英語とは言わずにカタカナ英語と言う。


「で、これは犬田のツイッターなのか」


「そうだよ」


「で、なんて書いてあるんだ。内容まではよく見なかったしな。だいたいあいつ、つぶやきすぎだぜ。見える範囲でも、つぶやきのオンパレードだ」


「その前に一つ。犬田がおかしくなる前に、この土地で何かがあったが、それが何なのか知っているかい?」


木本が即答した。


「知らん」


「テレビとか見ないのかい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る