第257話思い出
しばらく待つとバスが来たので、俺たち一行は再度乗り込んだ。
向かうのはホテルではなく、学校である。
バスに揺られることしばらく。
「ふーん、ここがね」
降りた先にあった建物を俺は見上げる。
当たり前ともいえるが、見た目は普通の学校。
平日の昼間に来てしまったので、授業はやっていた。
体育の授業をやってるのか、声が聞こえてくる。
「やっと来れたなあ。日本に来ると決めた時から、ちょっと期待していたんやで」
「それはよかった」
この錬金術師は母親からの逃避行をしながら、そんなことも考えていたのか。
「じゃあ、さっそく撮影を」
「人が入らんように気を付けるで」
海岸の時のように、みんな並んで撮影もした。
一通り見た後、俺たちはホテルへと戻るためバスに乗る。
「結構楽しかったなあ」
仕事を邪魔された先輩にも、意外にいい思い出になるんじゃないのか?
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