第188話代案

「それより、よしかとの出会いは天恵やと思った。神秘が溢れる日本の中で、様々な術式が混ざったのが陰陽術やからな。まさによしかはファンタスチック」


「キミが言えたもんじゃないよ。エジプト、中国、ギリシャの魔法が混ざったのが錬金術だもん」


ざっと教えられた知識によれば、様々な地域で錬金術は発達したとか。


「確かにな。それでもよしかに会えて良かったと思ったんや。だから結婚してくれ」


「できるわけないって言っているでしょ? 子供、いえ血を残し続けるのが魔女なんですから」


女性同士では、産めないから当然だろう。


「そんなもの捨ててしまえ。ウチにとっては魔法や一族なんかより、よしかのほうが何倍も大事や」


「できません。あなたと違い、私は背負ってるものがあるのです」


当然であるが、先輩は受け入れない。


「それが良くないのや。よしかの肩をこらせるのは、胸についている2つの塊だけでええ。あとは切り捨てや」


このままだと平行線になりそうだ。


「横から入らせてもらうけど、サラさんはレズなんですか?」


「違うと思うけど、自信はないで。男よりも、可愛い女の子が好きなのは事実や」


なるほどと思い、俺は少し考える。


「よしかさんはあなたと結婚することはないだろうし。別の方法で断ったらどうです?」


「そうやなあ……」


サラさんは悩みだす。


「なら、アンタでええ。形だけ結婚してくれ」


「え? 俺?」


「そうや。男女間なら問題ないんやろ?」

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