第189話自虐
「待ってください。どうしてお兄様と結婚する話になるのですか?」
今まで聞いているだけだったマイシスターが、会話に割り込んでくる。
「アンタ、桜子ちゃんとか言ったか? よしかには負けるが、ウチ好みの美少女だと思うで」
サラさんは値踏みするような目で見ていた。
「そんなことはいいから、キミが一樹と結婚しようとする理由を説明してよ」
たまらず嫁(自称)も話に入ってくる。
「私もそいつとの約束がある。勝手なことをしないでほしいのだが」
サーシャも反応。
「そうですよ。一樹君だって、いきなりで困惑します」
「そんなもん簡単や。よしかがアンタと結婚し、ウチが第二夫人になる。そしたらよしかとずっと一緒にいれるで」
「はあ、そんなことだろうとは思いましたよ。一樹君、サラの発言は忘れてください」
先輩は心底呆れていた。
巨乳で肩もこるだろうし、苦労の絶えない人。
「ウチは悪くない提案やと思ってるがな」
ケラケラ笑いながら、サラさんは言う。
「しかし、おもろい話や。行動の理由が自分の母親である人が、ここに三人も集まっとるわ」
「三人。俺とよしかさんと、もう一人は?」
「もちろん、サラ自身の話ですよ」
ロリ先輩から教えられる。
「何せ、横暴なおかんから逃げてきたわけやしな。自分の娘すら、政略の道具に使うんやで。偉大な先祖も嘆いているんやないか?」
自分の母を悪く言う態度に、俺は困惑した。
「ウチの母親は本当に哲学者なのか疑わしい俗物や。その話は置くとして、どれくらいの期間になるかよろしく頼むで」
こうして彼女を加えた、新しい生活がスタートする。
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