第177話性欲

「それのせいなんですかね?」


根っこの部分は同じでも、思春期特有の症状に支配されているんでしょうか?


それさえ鎮めたら、昔のお兄様に戻ってくれるかもしれない。


「わたくしはそれほど大きくはないですけど」


身長も低めですし、もう急激な発達はないでしょう。


自分の胸を眺め、嫌な気分になりました。


何故あの人の周りには、発育のいい女性が集まるんでしょうね?


わたくしの体を使い、発散してもらうのは無理そうです。


「だったら、発想を変えましょう」


どの一族でもそうなのでしょうが、人間の精神に影響を与える魔法は強い制限がかけられています。


使用はもちろんのこと、習得さえ禁じられているケースも少なくありません。


それを破るのは、とても罪深いことなんでしょう。


「だから、自分で開発したら?」


人間の精神を清め、煩悩を打ち払うだけの魔法。


悪用などできない、神聖なものとしてみましょう。


「煩悩退散。わたくしは魔を打ち払う、清らかな巫女です」

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