第144話設計図

「まずは、設計図を作りました。名前はカルラ1号です」


よしか先輩が見せた図は、かなり単純である。


「タンクがここで、機関部は背後。メーターがあり、電気コードでつながっている。側面に大型の翼を装備、と」


「そうです。完璧でしょ?」


「これで上手く飛べたのですか?」


「全然です。少し浮かぶぐらいでした」


「そうですか」


そんな気していた。


「滑走路を走り、十分な助走をつけたはずなのですけどね」


「それでも落ちちゃったのですか」


「落ちていません。一瞬浮かび、着地しただけです」


でかい胸を張って勝ち誇る先輩。


「翼の長さが足りないんじゃないですか?」


人間+バイクが飛べるほど大きいとは思わない。


「それをすると、狭い場所での飛行ができなくなるんですよ。常に広い道を使えるとは限りませんからね」


「なら、折りたたみ式にするとか?」


「強度の問題がありますね」


「なるほど。それなら、噴射口はどうです?」


「増やすとバイクを大型化しないといけなくなる上に、制御が難しくなります」


「そうなると、ほかに改善の余地は……」

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