第142話野望

結構、感動した。


魔法を国防やパワーゲームの駒としか見てない方達にも、是非聞いていただきたい。


「そうすればおばあさまも私を認めざるをえませんからね。これで私が次期後継者です。ふふふ」


ロリが若干不気味に笑いだした。


「そのためなのですか?」


将来の発展じゃなくて。


「そうです。それができれば、おばあさまも私を代表に選ばないわけにはいかないでしょう。御三家の中でも、賀茂一族が注目されますしね」


でかい胸を張って喜んでいる。


「自分の利益の為か」


感動を返してくれ。


「そのための試作として、高機動型騎乗式飛行ヴィークルを作ろうと思っています」


「高機動?」


「俗に言う、エアバイクです」


「あるロボアニメっぽいですね」


サポートメカみたいだ。


「近いものかもしれませんね。データー収集用の試験機ですが、成功すれば魔法界に衝撃が走るでしょう」


またも胸を張るロリ先輩。


「しかし、本当に初の試みなんですか?」


「どういう意味です?」


つり目がちょっと怖いぞ。


「鹿島一族の本拠地で、俺は大型スラスターで空を飛んだのですが」


「あれは飛行ではありません。滑空です」


「そうですか?」


「フライとジャンプは似て非なるものです。よく理解してくださいね」


「はあ」


「それはそうと、少し聞きたいことがあるのですが」


「何です?」


「一樹君、あなたは火薬が好きですか?」

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