第133話発端

「お見合い、ですか?」


言われた意味が理解できなかった。


「そうなのよ。私の孫と、してもらいたいの」


学園長に呼び出され、何を言われるか身構えていたらこれである。


「そうですか。ですが、俺は……」


「ハーレムでしょ?」


「ええ。そうです」


バッチリ見抜かれているようだ。


「会ってくれるだけで十分よ。あの娘、男慣れをしていないの」


箱入り娘なのか?


「学園長のお孫さんですからね」


御三家の一角である賀茂一族だ。


エリート陰陽術師候補として、蝶や花やと育てられたのかもしれない。


「どんな方なのですか?」


興味がわいたので、聞いてみる。


「そうね。簡単に言うと、スタイル抜群の巨乳美少女ね。あなたより年上の18歳よ」


「会います」


即答してしまった。


セクシー要員キターーー。


「それならあの娘に告げておくわ」


「お願いします」


深く頭を下げる。


「それで、写真とかはないのですか?」


「ないわ。他人の見せ物になるのは、嫌いみたい」


「残念ですね」


どれだけデカいか見定めたかったのに。


「会えば分かるか」


自分を納得させる。


「日程や場所が決まったら教えるわね」


「はい、お願いします」


このときは、全く予想できていなかった。


またも、俺の周りに個性の強い美少女が増えるなんて。

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