第107話解決

「なるほど。すべて終わったのか」


痛む体を起こしながら、俺こと一樹はつぶやいた。


「はい、お兄さまが心配することはもうありません」


笑顔のマイシスターを見て安堵する。


戦闘中に意識を失った俺は、どうやら生き延びて今いる病室にまで運ばれたらしい。


カミの封印は成功し、危険は去ったとか。


「嬉しい報告だ」


もう1つの懸念であった巡礼者であるが、俺が寝ている間に捕まったと聞くされる。


多数の武器によって武装(どうやって手に入れた?)連中は、力付くで異世界化空間に押し入り、そこを占拠。


カミに邂逅して、悪しき魔女をこの地から追い出す計画を立てていた。


しかし、封印によって行き場をなくした彼らは呆然と立ち止まる。


桜子の話だと、その時の彼らはこうである。


「巫女様、神はいづこでしょう?」


「ここです。封印しました」


剣を掲げるマイシスター。


「それより、あちらの方が皆様に用があるらしいですよ」


「物騒な物を持っていますね。どうしてですか?」


そう聞いたのは警察官だ。


「男にはどんな手を使ってもやらないといけないことがあるからです」


「詳しく聞きたいのであの車に乗って。署にてじっくりお伺いしましょう」


指さした先にあるのは、当然パトカー。


「連行しろ」


こうして、彼らは一網打尽に捕まる。


警察で武器の入手ルートも含め、詳しく聞かれているようでだ。


「退院できたら、我が一族から贈呈したい物があります」


「お、討伐報酬か?」


封印したので厳密には違うが、俺が文字通り盾として桜子を守ったのは事実。


きっと、高く評価してもらえているだろう。


金銭でなくても値打ちのあるものであれば、売ってお金にすればいいし。


「ついに、借金返済だな」


その勢いで、ハーレムも。


「お兄さま、あの時わたくしが言ったことは覚えておいででしょうか?」


「ああ、ばっちりだ。何の問題もない」


「それでは」


「俺のハーレム、妹要因はもちろんお前だ。これから増えるかもしれないがな」


「あ、あの。そういうことではなくてですね」


「なんだよ? 俺は全員幸せにするつもりだから、なんの問題もないぞ」


「分かりました。でも、これは言わせてください。お兄さまのバカー」


「出ていった。なんだったんだ?」


残された俺は首をかしげる。

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