第103話疑問

「狙撃ができない」


双眼鏡に写る視界を見つめ、私ことアナスタシアは嘆く。


すでに2人がカミ間近に近づいたため、誤射の可能性があるからだ。


それまでは外れても必死で撃ち続け、カミの注意をそらしていた。


投擲を防ごうとしたが、叶わない。


石が飛来し、2人のもとへ。


「あいつ、切り離されたぞ」


当初の予定通りである。


磁力操作により、安全に着地するはずだ。


「私は何を気にしているんだ?」


単に、利用しているにすぎない。


あいつが勝手に「ハーレムだ」と言ってるだけ。


私を姉と呼ぶ巫女が回り込み、錘を叩きつける。


そのまま術具でカミを封印。


「終わったな」


何故だろう?


満足感よりも、アイツの身を案じる気持ちの方が強いのは。

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