第49話応援

 俺たちは声が聞こえたほうを見る。


「やっほー。ボクが来たよ」

 

ニコニコしながら、手を振っている。


「これがボクの専用機、<ルー>だよ」

 

オリヴィアの着ているAAは何時もの量産型ではなかった。


 黄色い機体である。


 背中に板のようなもの6枚がついていた。


 天使の羽のようにも見える。


 ケルト神話の光の神。


 その名をとったAAか。


「危ないぞ」


 気が付いたクリーチャ―がオリヴィアに迫る。


「問題ないよ」


だが、手に持ったライフルから出たレーザーに倒された。


「背中の板からマナを吸い上げえているから、いくらでも撃てるよ。光を集めるのにも使えるし」

 

それは凄いな。


「何しに来たんだ? 俺たちを連れ戻しにか?」


 あの教官なら、やるかもしれない。


「いやだなー。違うよ」


 彼女は否定した。


「君たちを手伝いにだよ」


 本当か?


「お前、魔女のくせに、何の対価もなしに手伝うのか?」


 魔女は笑いながら言う。


「いやだな。物語には主人公たちを助ける“いい魔女”だっているのに。それに、対価なしなんて言っていないよ」


「どんな対価だ?」


 俺の質問にこう答えた


「1つ目の約束は、2人して無事に戻ってきて。2つ目は……」


 オリヴィアは一瞬、間を置く。


「今度はボクともデートして。それが条件だよ」


 予想もしていなかった対価だ。


 俺は焦る。

 

だが、しかたがない。


「わかった。次はお前の番な」


「うれしいよ。サーシャ以上にボクを楽しませてね」

 

魅力的笑顔で言った。

 

不覚にも、ドキッとする。


「わ、私は楽しんでなどいないぞ。教官の命令に従っただけだ」


 あわてて否定する。


 そういえば俺、ハーレムを作ろうとしていたんだっけな。


2人目を攻略だよ。


「対価も貰えたし、魔女は魔法を使うよ」

 

真剣な顔に変わった。


「ボクが注意をひきつけるから、その隙に走って」


 そういってくれるが、この数だ。


「できるのか?」


「うん。そのためにこの実験オプションを持ってきたんだ」

 

よく見たらルーには何かが付いている。


 背中から補助アームが伸び、それを保持しているようだ。


「それは……」


 なんだ? と言おうとした時


「ガトリングだよ」


魔女の言葉とともに、無数のレーザーが放たれた。

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