第48話敵襲

サーシャの専用機である<ルサールカ>。

 

6個の小型ビットを装備している。


 それはサーシャによる魔法で飛び、氷弾を放てるらしい。


 防御用に1個は手元に残しておくとか。


 俺との戦いでやったように、氷の盾を作るのが目的である。


<ルサールカ>から放たれたビットは、大活躍している。


色々な場所から、多角的に攻撃。


「すごい、小型とは言え10体ぐらいはいたぞ」


ビットから出た氷の雨は、俺たちを襲ってきたクリーチャ―の群れを撃退した。


「入ってすぐだったからな」


 空間に侵入した俺たちを待っていたのか、ご一行様と出くわしてしまった。


「妙だな」


「どうした?」


 あんなに簡単に倒したのに。


「敵の数がいつもより多い気がする」


「そう?」


 殆どここに来ないから、よく知らないけど。


「やはり、この空間が活性化しているのは本当のようだ。すぐに移動するぞ」


「どういうことだよ?」


「ここにいるとまた大群がやって来る可能性がある、とっととボスを倒してこの戦いを終わらせる。そういう意味だ」


「分かった。急ぐよ」


「くそ、ここにクリーチャ―が迫ってくる」


移動中にも、御一行様を発見。


 周りを見返せな、あたり一面小型のクリーチャ。

 

ワーム型やトカゲ型、ラットマンなどたっぷり。


 全部、動物が変化した存在らしい。


 こいつらを無視して、先には進めないな。


「群がってくるな!」


サーシャはビットから氷弾を放つ。


高速で跳ぶ弾丸は、クリーチャ―を撃ち倒しはする。


だが、それでも数は減らない。


防御用のビットまで、一時的に使っているのに。


「俺が食い止める。お前が先に行け」


 1人で、ボスクリーチャ―に敵うとは思えない。


返り討ちにあうだけだろう。


 なら、サーシャの方を。


「お前だけで勝てるはずがないだろ? 2人でやるぞ」


「だが、異世界化が進んでしまう」


 それに、ボスに逃げられるかもしれない。


「ほかにどうしろというのだ? お前だけ残してはいけないぞ」


「それは……」


 考えたとき、何かが当たって近くのクリーチャ―が倒れる。


「2人とも、お待たせ」


 遠くの方から声が聞こえた。


「この声は……」


 あいつだな。

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