第20話同居

「お前、破廉恥なことを」


 硬い軍人気質だからか、サーシャがあわてる。


「ふざけるなよ」


 いつも、こんなことを。


「いやだな。ボクは真剣だよ」


 信じられないよ。


「別にいいよ。その代り、対価はちゃんともらうね」


「その時になったらな」


 コイツは俺をからかっているだけだ。


 しかし、めちゃくちゃかわいい。


「それはそうと一樹」


「なんだ?」


「君、部屋がないんだよね?」


「そうだよ」


今は、格納庫の隅にいる。


 それがどうかしたのか?


「なら、ボクのところに来てよ」


「どうして?」


 儀式か何かに、俺が必要なのか?


「そんなことはやっていないけど」


それなら、何故?


「ボクは君の面倒係でしょ?」


「そうだけど」

 

お前が勝手に言い出したことだが。


「面倒見てもいいんでしょ? おいでよ」


「本当にいのか?」

 

ルームメイトの問題もあるだろうし。


 そこに男が押し掛けたら、迷惑どころじゃない気がする。


「平気、平気」

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