第11話自己紹介

「転校生を紹介する。では、自己紹介をしろ」

 

指導教官は俺に命じる。


「俺は瀬川一樹です。今日からこの部隊に新型機のテスターとして参加することになりました。短い間かもしれませんが、皆様よろしくお願いします」

 

俺は日本語で紹介分を言った。

 

クラスにいるのは10人ぐらい。

 

何か事情があって、高校生でもAFで活動しているやつしかいないらしい。

 

とはいえ、俺以外全員女子だ。


 緊張するな。


「日本から着ました。おにぎりが好きです」


 ギャグを混ぜ、受けいれやすくしておく。


「ここも日本の中にあるのだがな」


 アナスタシアは俺を睨んでいる。


 ウケなかった。


 それどころか、嫌味まで言われる。


「委員長、転校生をいじめるな」


 委員長?


「ああ、サーシャはこのクラスの代表だ。まあ、クラス委員だな」


 サーシャってのは愛称だろうな。


「私以外に、やりたがるやつがいないからな」


「責任感が強いから引き受けたんだ」


「別に、そうでもないが」


「その話は後にしろ」


 教官が言う。


「瀬川の席はどうするか? 委員長の隣でいいか?」


「ボクの隣は空いていますよ」


 そう言ってきたのは、写真で見たボーイッシュ美少女であった。


 纏っている雰囲気は中性的。


 でも、かわいいな。


 危険承知で来てよかったよ。


「転校生の席はここでいいですよね?」


 金髪美少女が、自分の隣を指す。

 

いいよ、行かせて。


「いや、ダメだ。お前の隣だと、こいつがサボる」


 ひどい評価だな。


「ええ? ボクがちゃんと面倒を見ますって」


「だめだ。お前には任せられない」


「そんな。酷いです」


 金髪美少女は、悲しそうに言う


 教官は教室を見回した。


「やはり、委員長の隣に座れ。サーシャ、お前をこいつの説明係に命じる。何かわ

からないことがあれば、委員長を頼れ。いいな?」


「はい、わかりました」


 銀髪美少女の隣に座る。


「お前の面倒を私が見ることになってしまったではないか。できる限り、私に面倒をかけるな。いいな?」


 俺を睨みながら、小声で言う。


「ああ、分かったよ」


 こうして俺は、攻略したい美少女の隣の席に座ることになった。

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