格安品
アンクロボーグ
第1話
金曜日の19時、カグミ タダミチは、週一回の出社が義務となっている簡単な、形だけの仕事を済ませての帰宅途中だった。
今は、AI機械様達が俺たち人間よりずっとずっと上手に世の中のすべてを動かしてくれている。
おかげで、人間は、ほとんどの労働から解放されている。
特別な贅沢を望まなければ遊んで暮らして行ける。
結果、おかげで生まれた、有り余った時間。
あの手この手で退屈を紛らわす方法を俺たちは、ひねり出し続けていた。
電脳都市線の素子駅で途中下車をした俺は、お気に入りの 古心通り を一人で歩きはじめた。
大手通信機器メーカーのチェーン店などが並ぶメインの通りを歩きながらまだ試していない面白そうな品が無いかとぶらぶらと歩く。
ふと、気づくと今まで通った事の無い小さな通りの路地が目に止まる。
かなり狭い通路に入り4.5メートル奥に、いかにも怪しく、面白そうな小さな(違法ギリギリ??)店がいくつも並んで営業していた。
その中の一店。人格データーリサイクル店 《ニュートロン》 営業時間AM11時~翌日AM3時
アクセス座標 802G-JHmn08-EWと表示の看板。
古ぼけた生体ガラスの窓には、12月1日~12月17日 古心まつり
在庫8万体!全意識3割引 人格データー買います。
『特に新しいもの、矯正されていないもの、粗悪改造されていないものは、高価買入れ』 と、手書きのポスターが貼られていた。
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