白紙物語

藤海晴人

序章 白紙の冒険記

プロローグ

「ねぇ母さん」


「なにかしら」


「昔から思ってたんだけど、なんでこの本は真っ白なの?」


「それは、日記よ」


「日記?誰の?」


「貴方の日記。貴方がもし旅に出ると言い出した時に渡そうと思っていたの」


「僕?」


「えぇ。帰って来た時に冒険の話を沢山聞かせてもらう為よ」


「わかった。任せといて」


「楽しみにしてるわね。さぁ早く寝なさい。明日は早いわよ」


「うん。おやすみ、母さん」


「おやすみなさい」

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