人生ハレ晴れ時々美少女が降るでしょう

村民H

第1話 空から美少女が降ってきました(物理)

どうしてこうなってしまったのだろうか...

気づけば目の前には白い天井。首は動かせず、体はあちこちが痛い。

ここは病院。僕は運ばれてきて今ここにいる。

病院独特の匂いが鼻を通り、僕が入院しているという現実を教えてくれる....

いやいやいや!なぜこうなった!

読者困惑だよ!急にこんな冒頭だと困惑するよ!

ではそんなみなさんのために!

僕がこんなことになった説明をしよう!

それは数十分前のことだ



春の風が頬をくすぐり、桜の花びらを散らす。

季節は春。そして今日は入学式である。

そう、僕こと空善晴人は今日から高校生だ。

高校はアニメや漫画、ドラマでも青春の舞台として取り上げられ

誰もが青春を謳歌する。そんなイメージがこれでもかと付けられた

学び舎だ。

僕は心踊ることを止めることもできず、通学路をスキップしながら登校した。

「それにしてもいい天気だ!まさに入学式日和だな!」

それにしても今朝のあの出来事は一体なんだったのだろう...

思い返せば15分ほど前

それは僕が朝食の食パンを食べながらテレビを観ていた時のことだ。

いつも通りの朝食にいつも通りの天気予報。なにも変わらない日常。

だが観ていた天気予報が少しおかしかったのだ。

途中お天気お姉さんの声が聞こえなくなったり、お天気お姉さんの顔が歪んだりと何とも恐ろしい現象が起きたのだ。

なにこれこわい!

僕は怖くなり『遅刻〜!遅刻〜!』で有名な食パンをくわえながら家を出た。


『今日は...時々...降るでしょう....』


お天気お姉さんが何かを言っていた気がする。が僕にはなにも聞こえなかった。

なにも聞きたくなかった。

聞いたら呪われそうじゃん!

そして時間を戻し、今に至る。

あれはなんだったのだろうか...いわゆる怪奇現象?

僕には霊感というものがこれっぽっちもないと思っていたがこういったものは急に現れるものなのか?

今日の帰りに神社にでも寄ってお祓いをしてもらうことにしよう

そうだそうしよう!

さて、嫌なことは忘れて学校だ。

青春だ。僕にももしかすると彼女ができるかもしれない。

夕焼けに照らされた放課後で告白される僕が目に浮かぶ!

想像するだけで楽しくなってきたぞ!

僕は胸を高鳴らせてスキップする足を速めた。

「らんらんるー♪らんらんるー♪」

自分の影を踏むように僕はスキップをした。

だが踏んでいた自分の影に自分以外の影が重なった。

「え?」

後ろを見ても誰もいない。これも怪奇現象か何かなのか?

僕は悪寒がして一刻も早くこの場から逃げなたくなった。

だが逃げようとした僕の足を天からの声が止めた

「どいて!どいてー!!」

声が聞こえ上を見るとそこには女の子

の足があり僕は空から降ってきた女の子の下敷きになった。

「ぐえっ!」

僕が覚えているのはそこまでだ。後は冒頭通りである。

気がつけば病院。目の前には白い天井。

僕の青春は始まる前に終わってしまったのでした。

END


「って、終わるかあああああああああああ!」

俺は誰もいない病室で叫んだ

「いてて...」

急に叫んだから頭がいたい。

ごほんっ

ここで話を終わらせてしまうと読者も悲しむだろう。

なのでもう少し話を伸ばすことにする!

さて、僕は今病院のベッドで看護師がくるか来ないかを気にしつつほかのことで頭がいっぱいであった。

その内容は空から降ってきた女の子のことだ。

あの辺りは飛び降りるような場所はない。

ビルもなければ崖もない。ましてやスカイダイビングをパラシュートなしで降りるような命知らずにも感じなかった。

ならどこから降ってきたのか、僕の中ではもう結論がでているのだがそれを口に出すのには少し抵抗がある

なぜならありえないからだ

もし僕の想像が正しければあの子はたぶん人ではない。

それ以外の何かだ

「いてて...」

考えれば考えるほど頭が痛くなってきた。

強く打った頭が休ませろと言っている気がする

とりあえずさっきのことは忘れて今はゆっくり休もう

「おっじゃましまーす!」

「うわっ!」

病室のドアが勢い良く開き女の子が入ってきた。

「おっ!思ったより元気そうでよかったよかった!いやーさっきはごめんねー」

「お、おまえはさっきの!」

そこには僕が今の現状になった理由の空から降ってきた女の子がいた

「いやーまさか降りる途中で重力低下装置が故障するなんて思わなかったよー」

「まぁ君には悪いことをしたと思っているけどこれも運命みたいなものだし

仲良くしようぜ!」

なにを言っているんだこの女の子は

僕がこんな目にあったのは全て君のせいじゃないか

まずは謝罪するのが常識だろ

「とーりーあーえーず!今日からよろしくね!空善晴人くん♪」

彼女はくるっとまわり屈託の無い笑顔でぼくをみた

そんな笑顔をされると怒るに怒れないじゃないか...ってあれ?

「ちょっとまって、なんで君はぼくの名前を知っているの?」

「だって....」

この後ぼくは後悔する

なぜこんな質問をしてしまったのだろうか

なぜもう少し家を出る時間をずらさなかったのだろうか

なぜ...

「だって君はもうすぐ死ぬんだもん♪」

もっとちゃんと生きてこなかったのだろうと

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