暗がりの先

小林 一茶

その先には何が



道を歩いてきた。生まれてからずっと。

様々な道があった。真っ直ぐな道も、曲がりくねった道も、荒れた道も、平らな道も。

周囲を見渡せば多くの人が自分と同じように歩いていた。

元気な人、辛そうな人。歩くのが早い人遅い人。歩幅が大きい人小さい人。

道と同じように様々な人がいた。


ずっと歩いてきた道。何故あるのか、なぜ歩くのか、そんなことを考えることもなく、ただあると思っていた道、ただ歩いてきた道。

そんな道がある日突然消えた。

いや、途切れた。振り返れば今まで歩いてきた道がそこにはある。だが、前を見ればそこは黒一色、暗闇があった。

周りを歩いていた他の人たちは何事もないように進んで行き、次々とその暗闇に溶けていく。

ライトで照らしてみても中が見える様子はない。

ここが世界の果てなのか、見えないだけで道は続いているのか。

進んでいった人たちはどうなったのか。この闇の向こうには何があるのか。




いくつか時を数えてみたが、僕は未だにその先へ進めない。

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暗がりの先 小林 一茶 @kobayashi_issa

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