ヒストリーブレイカー

ころ

Episode0 終わりの始まり

ーーー西暦二二七五年 バチカン市国



 少年はそこに立っていた。瓦礫まみれの中に。


 彼は子供のようで彼一人だけでこの場所を瓦礫まみれにしたようだった。だが、どこかから声が聞こえてきた。


「あ、甘木……ま……こと…………!」


 傷だらけの男が一人、這いずるように彼へと近づいていく。彼はその男を見下ろした。すると、手から光が発生し、それを男に向けて発射した。


「あ……ガァァァァアア!!!!!」


 男は目を抑えた辺りから赤い血が流れていた。彼は全く微動だにせず言った。


「お前らが悪いんだろうが……。俺をこんな訳の分かんねえものに付き合わせやがって……。なにやってるのか分かんてんのか? こいつらは……」


 すると、彼の周りに瓦礫からの埃が立ち込める。それによって視界が悪くなっていく。


「チッ……」


 彼は舌打ちをして空を見上げた。急に強風が吹き荒れ埃が舞い飛んだ。そして、周りを飛んでいたらしいヘリが姿を現した。全部で五機、彼の周りの上空に飛んでいた。戦闘用で使われる軍用兵器で本体の下からスピナーのようなものが出ていた。


 すると、彼はその場に立ち止まった。付近にさらに重い空気が流れ込んだ。そして、スピナーから何百発もの弾丸が飛び出した。だが、彼は何一つ動かない。弾丸が彼の目の前にきた時、彼は大きく笑った。そして、大量の弾丸を浴びたため砂ぼこりが立ち込め周囲が何も見えなかった。そして、視界が開けたのだが。



 そこには何もなかった

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