愛スルとは。

Silv

第1話

ふと私は気がついた。


ここは何処だろう。


そして私は気がつく。

なにも知らないことを。




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私はどうやら赤子らしい。

それが、自我が芽生えてから今までを過ごして出した結論だ。


ただし、なにも知らないはずの私が知識を持っていることの理由は見つからなかった。


何か、神からの使命があるのだろうか、

何か、未練があったのだろうか、

何か、為すべきことがあるのだろうか、

何も、特に理由が無いのか。


いくら考えても結論はでそうにない。

考えても。

考えても。

考えても。


もしかしたら、私にはわからないことなのかもしれない。




/* --- --- --- --- --- */




そうして、しばらくが過ぎた。

ただ、一つわかったことがある。

私は人間で、人間は非常に適応しやすい生物で、私は今のこの状況に適応してしまった。

まあ、悪いことではないと思う。


心当たりは一つもない。

当たり前だ生まれたばかりなのだから。


何かの生まれ変わりではない。

私がこうしているからだ。


為すべきことは特にない。

知っているが知らない状態で何を為せというのだろうか。


それぞれの疑問にやっつけな結論を見つけて私は考えるのをやめた。

もっと楽しいことを、子供らしいことを。

そう考えた瞬間、現実に意識が向く。

未発達な体でできることなんてほとんどない、ということに。

もしかしたら、もう少しの間は生まれた意味について考えるべきだったのかもしれない。


どうも、自分自身から少し抜けている感じがしてきた。

特に何も経験していないはずなのに不思議なものだ。


今、私ができるのは、

時が経つのを待つだけのようだ。

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