ロボットと私

プロローグ

地球はいつからか人間の住めるところではなくなっていた。


空気は汚染されて

マスクをしなければ五分で肺が腐り、

保護服を着なければ空気に触れた部位が焼け爛れる。


何故そうなったのか、原因はなんなのか

突き止める前に人間達は他の星へ逃げてしまった。


歩きなれた散歩道も

何度も訪れた図書館も

忙しなく人間が動き回っていた高層ビル街も

今では私が歩く瓦礫の道の一部だ。


こんな地球に私は一人で生きている。

こんな地球になってしまったからこそ

離れてはいけないとそう思ったのだ。


今日で13年目、

やっと私は話し相手を作った。


『はじめまして。』


ピコピコと画面の中で瞬きをしながら

無機質な声が部屋に響く。



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