祖国で虐げられて育った姫、緋李。
嫁いだ先は、冷酷で、結婚した相手を殺してしまうと噂されていた竜王、カズチ。
しかし、緋李を一目見たカズチは、彼女に自身の手料理を食べさせます。
口調こそ少しきついけれど、自分のために積極的に動いてくれるカズチ。
緋李は、少しずつ。彼に惹かれていきました。
そんなある日、緋李は赤竜王に攫われてしまい…?
二人を囲む、四季折々の麗らかな景色。遠くから見ると、より一層鮮やかに見えるお城とも相まって、まるで桃源郷のように幻想的な空間を醸し出しています。
ふわふわした甘い卵焼きに、ミートソーススパゲティ。それにクリームシチュー等々。カズチの作る料理という、食欲を誘う圧倒的飯テロ描写の数々。
和風ファンタジーですが、人間はもちろん、竜に、エルフまで共存しているというファンタジー世界の全てが詰まっていると言っても過言ではない、色々な世界が。文化が。融合して構成された世界観。
もちろん、登場するキャラ皆が、個性的で魅力のある者たちばかりで、それだけで笑みが溢れてしまいます。
そして何より、荒っぽい言動に隠れた、緋李を心底大切に想うカズチの純愛と、ほんの少しだけ鈍感で、天然な彼女との心温まる恋物語。
これを読めば、貴方は。
きっと、幸せと笑顔で満たされることでしょう。