第20話 悪魔ゲットだぜ!
空に飛び上がったオメガデーモン。
霧で出来た様なその姿は巨大な翼を持つドラゴンの様になり地上と繋がった地獄に居るヒロシを見下ろす。
「恐怖に沈め、生物である以上この恐怖耐えれるものか!」
口を開き吐き出されたそれはまるで怨霊の塊、数多の叫び声を上げている怨霊が一斉に腕を組んで待つヒロシに向かって落下してくる!
半精神体であるオメガデーモンの本体から放たれたそれは同じ半精神体にもダメージを通す攻撃であった。
生身の生命体がそれを受ければその存在どころか因果すらも破壊するその攻撃に無抵抗のまま飲み込まれたのだ。
「くはははははは!!!!これで全て終わりだ!たかだか1生命体であるお前に我は倒せぬ!」
地面が抉れ対消滅するようにヒロシの立っていた部分がどんどん抉れて穴になっていく・・・
そして、怨霊たちが散ってそこにヒロシはボロボロの状態で立っていた。
いつもの帽子は千切れ酒井酒店の前掛けもボロボロになり今にも死にそうなヒロシの姿を見てオメガデーモンは驚く。
「まさか、あれに耐えるとは・・・だがその様ではもう戦えまい、お前は良くやったそのまま楽になるがいい」
ゆっくりと霧のドラゴンが再び口を開く、再度同じ攻撃を仕掛けようとしているのだろう。
だがヒロシはボロボロの瀕死の状態で口元をニッと歪めた。
今にも死にそうな状態にも関わらず不適な笑みを浮かべたヒロシは地面をダンッと踏んだ!
すると地面が隆起してヒロシを天高く持ち上げていく!
それを見て何かされる前に押し切ろうとオメガデーモンは数多の怨霊を一斉に吐き出した!
「おいおい、主人公に対して同じ技を2回続けて使うってのは悪手だろ?」
その怨霊の濁流にヒロシは真っ向から突っ込んだ!
まるで放水された水が障害物にぶつかって飛散するように怨霊達はばらばらになりながら飛び散っていく!
その先端にはヒロシの姿が在った。
「な、なんだその盾は?!」
中央に赤い宝石の様なものが埋め込まれ黄色いドラゴンの紋章が描かれた青く金の淵を持つその盾は全てを防いでいた。
いつの間にかヒロシの手にあったそれは伝説の■トの盾である!
そして、反対の手に持たれたそれは・・・
「これで終わりだ!」
飛び出したヒロシはそれを振り上げる!
■トの盾を左手に持ったまま地面と共に上昇してきたヒロシが右手に持ったその武器は誰もが知っている・・・ひのきのぼうであった。
「ふ・・・ふざけるな?!そんな・・・そんなもので・・・」
オメガデーモンが叫びを上げるが知ったこっちゃ無いとヒロシはひのきのぼうを振り下ろした。
勿論物理攻撃が一切効かないと言うのは理解したうえでだ!
だがヒロシがそれを知った上でそうしたと言うことにオメガデーモンは恐怖していた。
そして、その恐怖は真実となる。
「フルカウンター!」
※漢字で書くと『全反撃』、七つ○大罪で主人公のメリ○ダスが使用する技。
自分に向けられた魔力を、倍以上の威力でもって跳ね返す特性。単純な物理攻撃などを跳ね返すことはできない。
そう、オメガデーモンの使用したあの怨霊ブレスを魔力としてその身に受けてヒロシはそれを直接倍以上の威力で跳ね返したのだ!
半精霊体であるオメガデーモンがその体から放ったそれは勿論半精霊体に対して効果の大きい技であった。
更にこのオメガデーモンが放った威力を2倍にすると言う事は単純に相手に与えるダメージが倍になると言う事ではない。
例えば10の攻撃力で4の防御力を持つ敵を攻撃した場合ダメージは単純計算で6となる。
これが20の攻撃力の場合であれば4の防御力の相手には16のダメージを与える、つまり2.5倍近いダメージを与える事となるのだ。
そして、ヒロシは生身の人間である。
そのヒロシが受けたダメージはとてつもない膨大なダメージとなっていた。
抵抗力が0でしかも生身と言う事でその威力は2倍以上となっていたのだ。
それをヒロシは敢えて受けきって倍以上の威力で反撃として使用したのだ!
「GO・・・GOXAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
とてつもない衝撃が半精霊体のオメガデーモンに襲い掛かった!
とてもヒロシの持つひのきのぼうから放たれたとは思えないその威力はオメガデーモンだけでなく天を切り裂き大気圏を突き破り宇宙へと放たれる!
「な・・・なぜだ・・・これほどの威力・・・まともに受けて・・・お前が生きている筈が・・・」
ニッと笑うヒロシの歯の間にスキル球と呼ばれるボールがあった。
スキル球とは中に封印されたスキルを無関係の物でも使用する事で使う事が一時期的に出来るアイテムである。
それを使いヒロシは世界○の迷宮のショ○グンのパッシブスキル『食いしばり』を使用していたのだ!
※食いしばり、戦闘中に一度だけHPが0になっても一定確率でHP1で踏み止まるスキル。
5まで上げるとかなりの確率で発動するこれだがヒロシは事前に食べていたラックの種によりほぼ100%発動するようになっていた。
その衝撃で消滅していくオメガデーモンをヒロシはじっと見詰める・・・
そして、それを見つけた!
「いっけぇ!!!■ックバスター!!!」
いつの間にか■トの盾はなくなっておりヒロシの右腕は青い大砲の筒の様な物になっていた!
ドクターワイリーの作ったロボットの能力を取り入れる事の出来る■ックマンの汎用性の高いそれの玉をポケモンボールを発射する砲台としたのだ!
当初はコブ○のサイコガンにしようとしたが逃げ出すオメガデーモンを殺してしまったら不味いと判断し切り替えていたのだ。
「ギギッ?!」
声を上げてそれを喰らったのはオメガデーモンの核であった。
オメガの力を全て取り込んだそれは霧と言う形となってもその全ての力をその中へ蓄えていた。
そいつが消滅する霧の中から逃げ出そうとしているのをヒロシは捕らえていたのだ!
「デーモン・・・ゲットだぜ!」
上手い事言った様な笑顔でヒロシは天高く伸びた土台の上でオメガデーモンが入ったポケ○ンボールを掲げた!
そして、ヒロシはそのままアホウで姿を消す。
残る必要なアイテムを集める為に彼は次の世界へ移動したのであった。
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