第11話 反撃の狼煙はコスプレで
「それじゃあまずはこの組織を壊滅させようか」
「「「「分かったナリ」」」」
ヒロシの前に並ぶのは数十体の人造人間殺すK。
ヒロシの指示を受けそのまま建物内に居る雑魚共を一掃しに散ります。
「な・・・なんだぁこいつらはぁあああ?!」
「ひぇええええおたすけー!!!!」
「痛い・・・救急車呼んで・・・」
「俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる!探せ!この世の全てをそこに置いてきた!」
「さらばだブルマ・・・トランクス・・・そして・・・カカロット・・・」
「許せサスケ・・・ ・・・これで最後だ」
あちこちから断末魔なのか分からない叫び声が響く中ヒロシはクリスに休みながらシエルを見張るように告げ台所へ向かった。
そして、アレの準備を始めるのであった・・・
「任務完了ナリ!」
いつの間にかリーダーが決まったのか1体の殺すKが掃除機のホースで出来た腕で敬礼をクリスに行なう。
ちょっと引きながらもクリスは「お疲れ」と告げその光景を見る。
数十体居た殺すKは流石に無傷ではなく腕が千切れた者や壊されている者も居た。
しかし、再びシエルと共にそれを目の当たりにして冷や汗を流す。
「壊れたパーツ交換完了ナリ!」
破損した部品を他の破損した殺すKと交換して何体か動かなくなったのだがそこには完全体となった殺すK達が揃っていた。
そこへヒロシが戻ってくる。
「おっお疲れ、とりあえずこれでも喰って待ってろ」
そう言ってヒロシが置いた大皿を見て目を輝かせる殺すK達。
そう、殺すKの大好物コロッケである!
台所で調理している様を見ていたシエルは心の中で叫ぶ。
(千切りしていたキャベツはどうした?!)
お約束である。
そうしている間にもヒロシ手作りの料理がクリスとシエルの前に置かれる。
クリスの前に置かれたのは丼物であった。
「おあがりよ!」
ヒロシ、いつの間にか左腕に白い帯状の何かを巻いてハチマキをしていた。
そして、クリスはその丼の中を覗きこむ。
下に敷かれた白いご飯の上に乗せられた具材、そう・・・化けるふりかけご飯である!
四角く切られた煮疑りがご飯の余熱で溶けて白いご飯と混ざります。
それを一口食べたクリスはその味に目を見開き一気に駆け込みます!
「こ、これは?!」
クリスの驚く声が響く!
それはそうだろう、クリスは丼を手に持ちその中の料理を口へと流し込んでいた筈である。
にも関わらずクリスは着ていた衣類がはだけてその肉体を公開していたのである!
そう、これが俗に言う『おはだけ』である!
「御粗末!」
ヒロシがハチマキを取り去り宣言する!
そしてクリスは慌ててシエルの方へ目をやった。
そう、自分がヒロシの料理を食べてはだけたと言う事は・・・
「美味い・・・こ・・・これは・・・果てしなく・・・」
シエルが口にしたのはカツ丼であった。
切り口が赤い無菌豚、いやSPF豚を使用した赤いカツ丼である!
それを手にしたままシエルは立ち上がる!
「美ーー味ーーーいーーーーぞーーーーーーー!!!!!!」
そして、そのまま駆け出していった。
おはだけが拝めると期待していたクリスは固まり、ヒロシはいつの間にか着替えていた自分の頭に乗っているコック帽を取ってニコリと笑う。
先程の食劇なソーマ的雰囲気から一瞬でミスターな味っ子的雰囲気に早着替えしたヒロシに突っ込みを入れる事無くクリスは再び化けるふりかけご飯を食べるのであった。
「もう喰えないナリ~」
大量に在ったコロッケを全て完食した殺すK達、いつのまにか壊れた部品で作られていた固体もそこに加わっていた。
不思議な事にヒロシが布を壊れた殺すKに被せるとその固体は元通り修理されて再び動き出したのだ。
そう、皆大好きドラちゃんのタイムな風呂敷であった。
「よし、それじゃあこれからもう一つの組織であるロチの所へ攻め込む!だけど今から伝える奴等はクリスが戦うから決して倒してしまわないようにま!」
「分かったナリ」
「よし、それじゃあこれを全員持て」
そう言ってヒロシが置いたのは短い銀色の筒であった。
片手で持てるそれを全ての殺すKが手にした所でクリスの方を見て頷いて一同はあのビルへ向けて移動を開始するのであった。
「な、なんだお前等?!」
「うん、雑魚に用は無いから」
「グエッ」
ヒロシ、建物の入り口に居た相手に問答無用で手にしていたそれを投げつけて意識を奪う!
飛んでいったそれはチェーンで繋がれており門番の顔面に直撃してそのままヒロシの手に戻ってくる。
黒いグローブをはめたそれをしっかりとキャッチしてそれを見せ付けるヒロシ!
それはヨーヨーであった。
パカリとヨーヨーの側面が開いて桜模様の大紋が晒される!
そして、何故かいつの間にか黒いセーラー服を着て女装しており高らかに宣言する!
「スケ番まで張ったこのヒロシが、何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先、笑いたければ笑うがいいさ!だがな、手前達みたいな汚い野郎を許しちゃおけねーんだ!」
「な、なんだ・・・一体アイツは何を言ってるんだ?!」
すっかりスケ番な刑事に成り切っているヒロシは他の立ち止まっている男達に高らかと宣言する。
その異様な光景に誰もが固唾を呑んでいた。
だが目を疑う光景はこれだけではなかった。
「ほっほっほっ」
黒いセーラー服で女装をしていた筈のヒロシから誰も目を離していない筈なのに一瞬でヒロシは老人に変装していたのだ。
その手にあるのはヨーヨーではなく印籠。
「スケベェさん、カクベェさん・・・殺っておしまいなさい!」
「「「「行くナリ!!!」」」」
水戸の黄門ヒロシ様の宣言で背後に控えていた殺すK達は一斉にビルへと攻め込む!
殺すK達が手にしていた銀色の筒にあるスイッチを入れると筒の先に光り輝く刃が出現し入り口のドアをそこに立つ人間ごと切り裂いて中へと突入していった。
「うーん、流石スターオーズのビームサーベルだ。見事な切れ味だ。シュゴー・・・シュゴー・・・」
今度は老人の格好から全身黒い衣装に着替えて呼吸音を響かせるダースなヒロシベーダー。
先程から続く意味不明な展開に1人付いていけなくて固まるクリスであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます