椎堂かおるの、思ったことがダダ漏れ感想文
椎堂かおる
第1話 「ぼっちゃん」島村ゆに様作(ホラー)
いいかげんな感想を思ったままダラダラ書く企画です。
一作目はお知り合いのホラー作家さん、島村ゆに様の新作「ぼっちゃん」を拝読しました。カクヨムでねちっこい感想書きたいんですがとお願いしたところ、OKとのことでしたので、記念すべき第一作目として、感想を書かせていただきます。快諾いただき、ありがとうございました。
「ぼっちゃん」島村ゆに様 作
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881598974
「ぼっちゃん」はホラー作品です。私、ホラーは苦手やねん。怖い話が、ものすごく苦手なんです。ですから、かなり身構えて読み始めました。
主人公は、高校時代を不登校で過ごしたという、たぶん女性でしょうか。実は、はっきりしません。それは小説としては、ひょっとすると、欠点なのかもしれませんが、この作品はどうも、誰かが朗読か、ひとり語りするのを聞く気持ちで読むタイプの小説です。このまま朗読してもいいくらいに、朗読向きに書かれていると感じました。
主人公が、男性か女性かわからないせいで、このお話は、二人称小説のように機能してます。物語を聞く、私自身の物語のような錯覚を覚えるんです。
上手いな! と思いました。(私も小説を書く人間ですので)
主人公は頑張って大学受験に成功しますが、そこでもまた不登校になってしまいます。それで、お母さんに言われて、知り合いのおばちゃんが経営する喫茶店でバイトをすることになりました。その、生き辛さというのか、この先どうなっていくのかなという、主人公の、そしてそれと一体になっている読者の、うっすらと暗く重い気分。それが物語の幕開けです。
このバイト先には幽霊が出ます。やっぱ出るんやん! 絶対出ると思った! 知ってた、だってこれホラーやもん! と、すでに小生、涙目ですわ。
怪奇現象を淡々と描写する、物語の語り口が、そんなに怖くはなく、近所のおばちゃんと私の「こういうことってあるよね」という程度のノリなのが、なんだかリアルです。誰しも、怖いものは直視したくないし、大したことではないと思いたいよね、って感じました。
でも! この話はホラーですから。全然、何事もなくなんか行くわけがない。
めっちゃ出る、普通に幽霊が出る!!
来た来た、幽霊きたーーーーーー! って思って読んだんです。
でも、その幽霊がね、可愛いんです。ゆるキャラみたいな可愛さではないんですよ。3歳ぐらいの子供の霊で、愛くるしいというか、どういう事情で化けて出てるのかは分からないけど、決して邪悪なものではないという印象があって、幼子ならではの可愛さがありました。
可愛い幽霊だったなあ、って。読者がほっこり、油断したところで、この作品のフィナーレです。やっぱりホラーやないかい!!
オチは読んで確認していただきたいので、ネタバレ感想はほどほどで止めようと思いますが。バナナがね……バナナが。貴方。食べられてるの。(言うてる)
しかも食べ方がどう考えても人間じゃないの。
めっちゃ怖い。不条理な恐怖感です。
もし本当にこういう目に遭ったら、私ならその場でうつ伏せに気絶です。
もうバナナ食べられへん。家にうっかり置いとかれへんやん……。て、なりました。
淡々と、優しく、ふんわりと語り、小さな恐怖を徐々に積み重ねていって、でもそれを裏切り、ほっとさせた矢先に、最後はしっかりホラーに持っていって落とすという構成で、物語として、がっつり練られているなと感じました。安心して読める作品だと思います。いや、怖いけど。内容的には全然、安心はできないけど。技術的には安心して感情移入できる作品でした。
余談にはなりますが、主人公の働く喫茶店が、名古屋のお店なんだなあというのが、モーニング文化の記述で垣間見えて、地方性も感じられるのが、良かったと思います。お話に出てくる喫茶店が、名古屋のどこかに本当にありそうな、リアリティを感じました。
あったらどうしよう……。もう怖くて名古屋いかれへんやん……。
しばらくバナナは控えようと思います(笑)
怖くて面白い物語でした。ありがとうございました。
「ぼっちゃん」島村ゆに様 作
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