幼馴染(きみ)ほどの家畜はいない
海野てん
プロローグ
『廃棄食品の無い未来のために』
一年二組二十一番
日頃私たちが食品を購入する上で、値段と同じくらい注意しているものがあります。賞味期限です。最近は、鮮度や作り立てであることを売りにした商品も増え、消費者がより高い質の食品を求めていることが分かります。
消費者に提供される質が上昇する半面、日本では年間に二〇〇〇万トン近くのまだ食べられる食品がゴミとして廃棄されています。私は、この膨大な量を少しでも減らすため、そして社会に還元し、より多くの人の役に立つようにするために、日本はこれからどのような方法を選んでいくべきか考えました。
私が注目したのは、フランスで実行されているある法律です。大型スーパーマーケットの食品廃棄を禁止し、賞味期限が切れていても食べられる食品を、生活が困窮している人々に提供するフードバンク機関などに回すよう義務付けたのです。
この食品廃棄量の減少と社会貢献の二つを実現させた手法には、日本も学ぶものがあると感じました。
ですが、国が違えば状況も異なります。日本では鮮度の高い食品が求められるために、同様の方法で同じ効果を期待するのは難しいかもしれません。
しかし、値段を下げることで消費者の敷居が大きく下がるのも事実です。そこで私が考えたのは、今まで廃棄されてきた「期限は切れても食べられる食品」を店で無料提供し……
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