⒉ 真目(5) 火の記憶
ブシュラは一人、隣の家庭科室の中へと駆け込むと、そこにはフライパンから天井付近にまで伸びる火柱が待っていた。
普通の人ならその炎を目の前に
まずは冷静にコンロの火を消すと、辺りを見回しフライパンカバーを見つけたブシュラは、それを手に取る。
次にあれだけ高く燃え広がった火柱にどう
(普通ならここで
彼女もまた一人の
自分の身体が熱を感じないことは経験上、知っていた。
それはまだ、彼女がこの学校の化学教師に転職する前の
あの時もこんな風に火が燃え広がっていた。
新製品の開発中に機械のトラブルが発生し、爆発事故が起こったかつての夜。
「ぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁ―――ッ!」
熱くはないが、
なんとも不思議な感覚が当時の彼女を
この火災での
生き残ったのは、高い自然治癒力を持った神眼者のブシュラのみであった。
救助隊が駆け付け、
ブシュラは
粉末が山状に火の元を
火が完全に消えたことを確認したブシュラは、隣の第一理科室へと戻っていく。
そして扉を開け閉めしてマスクを
「問題無い。火柱は無事、鎮火した」
「良かったぁぁぁ…………」
誰よりも心配していた紫乃は安堵のあまり、力が抜いてへなへなとその場に座り込んでしまう。
家庭部の部長は『
「
そう言うと二人は
「もしもし、私だ。突然で悪いが、純鉄製で
通話を終えると、ブシュラは
「さてと、こいつは
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