第一部 ⒍ 洞視
⒍ 洞視(1) 子供の成長は恐ろしい
ゲーム開始から六日目――
ゴスロリ衣装をこよなく愛する
「
それが君の目に宿る特殊な力を目覚めさせる一番の手っ取り早い手段であるからな」
「特殊能力って私を
「ああ、そうだ。こう見えて彼女は
「はい!」
一瞬で
「ごふぁっ!」
もろに
この時点でかなりのダメージが身体に溜まり、それでもどうにか
「ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ………」
ブシュラの財力であしらえた新品のゴスロリ衣装もすっかり傷付き、もはやまともに立てなくなるまでズタズタにされてしまった
だがそれでも、
こうなったらとリンジーは
突如としてリンジーの背後で何か黒い物体が現れると、それは彼女の腕を強く
「これは……」
リンジーはその黒い物体を目にすると、それがどういうわけか立体化した自分の影であることが分かった。
「ほう、こいつはまた変わった能力だな」
見物していたブシュラがそんなことを口にすると、ついにその力を開花した
「やっ……やった!厄介なメイドさんの動きを止められたよ」
ここで二人の手合いを中止するブシュラ。
「もうこの辺りで結構だ。
「あ……うんっ!………分かった!」
特殊能力が開花されたというのに、ブシュラが一切褒めてくれなかったことに対してどこか残念そうに気持ちを押し殺す
まだまだ甘えたがりな年頃ではあった
その様子を見届けたブシュラは影が戻るなり、口を開いた。
「すっかりその服もボロボロになってしまったな、私が後で新しいものを用意して上げるとしよう」
「本当に!!じゃあ今着ているものより派手なものが良いな」
先程とは打って変わって上機嫌になる
「そうかい、まぁなんだって良いさ。
それよりさっきの手合いで思ったのだが、君のその小柄な体型を
例えばすぐに吹っ飛ばされないように相手との間合いを一定距離突き離せる為の何かリーチが長くそれでいて軽めな武器を与えてみるとか………」
「武器!!なんかそれって格闘ゲームみたいで面白そう」
「面白そう……か。確かに私たちが巻き込まれてしまったあれも一種のゲームではあるが、それは
「さっきみたいなことを体験したら、そりゃあ楽しいものではないことは分かっているよ。
でも、
「何か目的があるのは生への活力となる。
その気持ちを忘れずにこの現実を生きてみせろ。私から言える助言はその程度だ」
その後、ブシュラは戻るぞと一声掛けると、
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