僕らが分かり合えないという絶望を。
どろいど
第1話 東京に雪が降った夜
「私が家族を置いて出て行った理由が、万が一わかったら教えて。」
彼女が最後にメッセンジャーで送って来たメッセージを読むと
涙が溢れて来た。
ベランダでスマホを片手に冷ややかに放心する僕に、木々に積もった新雪が、一生解けない根雪ように重くのしかかった。
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