第10話

建物に戻るともうみんな部屋にいたので、僕らが最後となってしまった。

僕らがついたとたん、会議が始まってしまった。

「私さ、紅音ちゃんだと思うんだよね。だって昨日緑ちゃんと言い争ってたじゃん。それに紅音ちゃんのうわさみんな知っているでしょ。元ヤンだって噂。仲のいい水咲ちゃんが疑われて怒って緑ちゃんを殺したんじゃない?」

「僕は、紅音さんじゃなくて航平君だと思う。」

「それだったら、水咲ちゃん、本人じゃない?」

「紅音ちゃんが動いたら樹希君が動きそうじゃない?」

「わかる。」

完全に疑われている。何か弁解でもしないと。あ、占い師のことでも聞くか。

「ねぇ。皆に聞きたいことがあるんだけど、占い師だれ?」

「私だけど。」

引っ掛かったのは星居ほしい凜々花りりかだった。

「本当にそうなんだね。その言葉取り消しはできないよ。」

「私、うざい人嫌いよ。そうですよ。」

「今朝の島川緑のところに、市民のカードがあったでしょう?実はゲームマスターから話を聞いていたんだ。みんなに配ったカードに占い師が入っていないことを聞いたんだ。そのお詫びにと死んでしまった人の役職をカードをその場に置くということだったんだ。そして占い師と名乗る人はいないはずなんだ。」

「う、嘘よ!それに、緑ちゃんを殺したかもしれない人の言うことなんて信じられないわ!」

凜々花ちゃんが今にも泣きそうな顔で言ってきた。

それに反論するかのように樹希が言った。

「緑ちゃんを恨んでいたのは僕らだけではないはずだよ。緑ちゃんはかなりのぶりっ子だった。うざいと思う人はたくさんいたと思うよ。」

「樹希、バスケ以外で性格かわるの珍しいな。」

「頭に来ちゃって。」

凜々花ちゃんが慌てたように言った。

「紅音ちゃんは元ヤンだって噂で聞いたことあるわ!喧嘩売られて頭に来たのよ!きっとそうよ!」

今度は水咲がにらみながらこう言った。

「あなた、紅音の何を知ってるの?私と航平は紅音と幼馴染で小さいころから一緒にいる。樹希は小学校のころから一緒にいる。君たちよりはずっと長い。」

凜々花ちゃんはポロポロと、涙を流しながら言った

「可能性の話じゃん。話聞いてよぉ。」

紅音は冷たくこう言った。

「可能性はみんなにあるし、話をきいてほしいのはこっち。なんで、占い師なのかを聞いているの。」

「占い師だから占い師って言っているの!疑いたければ疑えば。それでも私は占い師だから!」

なんで凜々花ちゃんはそこまでして占い師と言い張るのだろうか。

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