第6話

僕らは建物に戻り、健斗が死んでしまったことを伝えた。

皆と一緒に帰ってきた真優と亮は部屋の隅で真っ青な顔で震えていた。

だれも何があったかは聞かなかった。でも、真優はずっと何かをつぶやいているようだった。亮はそれを聞いて驚いていた。

自由時間となり僕は暇になってしまった。調べたいことは昨日調べてしまったし、何をしようかと思い、散歩しに行った。商店街のほうへ行くと、たくさんのお店が並んでいた。でも、田舎なので大型ショッピングセンターなどはなかった。

商店街を歩いていると、手芸部の坂田さかた茉莉まつりと、佐藤さとうあやがいた。

「彩ちゃんに茉莉ちゃん。何してるの?」

「あ、航平君。この藤色の毛糸と、若草色の毛糸どっちがいいと思う?」

「どっちもいいと思うよ。それで何を作るの?」

「みんなにマフラーでも作ろうと思って。ね、茉莉」

「だったらさ、二色使ったマフラーは?」

「いいね!ありがと。」

「いえいえ。」

茉莉ちゃんと彩ちゃんと別れた後また商店街を歩くと本屋があった。

覗いてみると島川しまがわみどりがいた。

「あ!航平だ~。何してるのぉ~?」

「散歩してるだけ。」

「散歩しているだけで会うなんてぇ。緑はぁうれしぃ」

しゃべり方でわかるように島川はぶりっ子である。

「航平は今暇ぁ~?緑といっしょに散歩しよっ?」

「いや。一人がいい。」

「いやぁー。緑はぁ航平といっしょがいいのぉー!」

そしてしつこく付きまとわれている。

「今日はぁ水咲ちゃんと一緒じゃないのねぇ。もしかしてぇ振られちゃったぁ?それとも振っちゃったのぉ?緑にもチャンスあるのねっ!」

いつもは水咲と一緒にいるので島川は来ないがいないのでぐいぐい来る。

もう疲れたので建物に帰ろうと思い歩くと、

「緑を置いていかないでぇ~。一緒に行くっ!」

無視しててくてくと帰る

「明日もぉ一緒に行こっ♡約束だよぉ~?」

「いや。明日は用事があるから。」

「えぇ~。用事ってなぁに?」

島川を無視して部屋へと向かった。

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