一流の暗殺者小説大会

ヘルデスタイクーン

第1話

 俺は中村。一流の暗殺者だ。この業界では”選りすぐり(セレクション)”で通っている。何処にでも居る平凡な男の格好をしてはいるが、受けた依頼は失敗しない、正真正銘の一流の暗殺者だ。昨日も三人のターゲットを殺し、四人の依頼主から報酬を受け取り、更に一人追加でターゲットを殺した(依頼主の一人もターゲットだったのだ)。

 組織に属さない暗殺者である俺にとって、今日の依頼は奇妙なものだった。大体の場合、俺に回ってくる依頼は他では受けられない依頼……組織間の問題が多い。対立していない組織の誰かを殺すには、事を荒立てずに済む上、何かあれば切り捨てられるフリーランスが便利なコマというわけだ。しかし、今日の依頼は違った。詳細は省くが、兎に角奇妙だった。直接会って話がしたいというのは、ここ数年で一度もない話だ。

 こんな商売をしていると、敵も少なくはない。状況を簡単に説明しよう。俺は今、路地裏で複数の男に囲まれている。依頼の確認のため、とある喫茶店に向かって歩いていたところを囲まれた。そして今日はオフだったので拳銃は持っていない。一流の暗殺者はオンオフをきっちり分ける。公私混同はしない主義だ。

 刃物や銃をちらつかせる男たちの顔には見覚えがあった。裏御庭番衆、死四熾天の連中だ。一流の暗殺者が持つ一流の洞察力で大まかな事情は察することが出来た。四日前に殺した死四熾天のリキティの仇討ちということだろう。この依頼自体が罠だ。俺を喫茶店に呼び出したのは死四熾天四天王の一人だった。

 はっきり言って不利な状況だ。死四熾刀で武装した死四熾天を相手に、こちらの持つ武器は鉄板を仕込んだ靴くらいしかない。連中の殺気が伝わってくる。ここで俺を確実に殺すつもりらしい。

 弾丸が放たれ、ほぼ同時に死四熾刀の斬撃が俺を襲う。絶体絶命の窮地。だが、俺は一流の暗殺者、中村・ザ・セレクション。こんな窮地は幾度となく乗り越えてきた。一流の暗殺者はどんなターゲットでも殺すことが出来る。さしあたり、今作者を殺してきた。この話は終わり、俺は死なない。そう、俺は永遠に一流のあんさつしゃとしt

 

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一流の暗殺者小説大会 ヘルデスタイクーン @gigaojisan

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