8-15(火)〜8-16(水)のブログ
2017-08-15 17:03
☆無題
信じられない!
どこにも行くあてがなく、
あたしはオタクのマンションの非常階段を上がって、
最上階から日の沈む景色をぼんやり見てた。
ここには誰もこない。
だれも用がない。
この世から消えてなくなっても、だれも気づかない、
存在する意味のない場所。
あたしにはお似合いの場所。
なのに。
オタクはそこにいるあたしを探し当てた!
見つけてくれた!
なんだろう、、、
この、ほんわかする気持ち。
「放っとけないよ!」
オタクはそう言って、あたしを引き止めてくれた。
からだを求めるわけでもない。
なんの見返りもない。
オタクになんの得もないのに、
あたしを守ってくれようとしてる?
嬉しい。
人からこんなに求められたのって、はじめてかもしれない。
あたしを求める人は、いた。
でもみんな、
からだ目当てだったり、
勉強教えてほしいとかだったり、
不純で打算的な目的があった。
でも、このオタクは違う。
純粋に、あたしのためを思って、
自分を犠牲にしてくれようとしてる?
もしかして、信じていいのかな?
その言葉。
甘えちゃっていいのかな?
そういえば、
家でも学校でもあたし、
だれかに甘えるって経験、ないな~。
親にハグされた記憶もない。
いつも厳しく叱られたことしか、思い出せない。
それが怖くて、
叱られない様に、いい子でいようと頑張ってた。
いつも、ビクビク怯えてた。
家にも学校にも、居場所がなかった。
オタクになら甘えても、わがまま言っても、許してくれる。
そんなのって、はじめて。
なんか、自分の存在を、はじめて肯定できる気がする。
栞里ちゃんはこの時はじめて、『この人のためになにかしてあげたい』という気持ちが芽生えたらしく、『モデルをしようか?』と言い出した。
ぼくに対して、少しずつ心を開いていく栞里ちゃんの気持ちが、そこには克明に綴られてた。
次の日はいっしょに原宿に出かけ、ふたりでお店をのぞいたり服を買ってもらったりして、かなり楽しかったらしい。
ぼくの事も、今までのダサい服装からのイメチェンで、少し見る目も変わってきたみたいだった。
そうだったんだ。
やっぱり、ヨシキのアドバイスは的確だったんだ。
朝いちでユニクロまで買いに行った甲斐があった。
そんな、まるでデートの様な気分をぶち壊したのが、高瀬みくとのダブルブッキングだった。
2017-08-16 16:10
☆無題
ムカつく!!!!
あのオタク、二股かけてた。
あの顔で?
あのキモさで?
ありえないし!
しかも、二股してるって事に、なんの罪悪感も持ってない。
ありえない!!
あんなダサそうなオタク男が、なんで二股なんかできるのよ!
、、違う。
二股なんかじゃない。
だいたい、あたしはあいつの事、好きでもなんでもないし、
別につきあってるわけじゃない。
だから、二股なんかじゃない!
だったら別に、怒る事も悲しむ事もないはず。
あたしったら、なに熱くなってるんだろw
あんなオタク。
関係ない!
なのに、、
なに?
この敗北感。
あいつが罪悪感ないのは、
あたしの事は別に、好きでもなんでもない、って証拠。
あたしはただの家出娘。
お兄ちゃんにとっては、厄介なだけの存在。
そりゃ、スマホの向こうの彼女の方が、大事に決まってるよね。
カノジョ。
どんな人かな?
可愛いのかな?
いくつくらいかな?
やっぱりオタクなのかな?
あたし、、、、 バカだ。
期待してた。
お兄ちゃんがあたしの事、好きでいてくれてるって。
あたしの事が好きだから、家にいさせてくれて、
いろいろ話を聞いてくれて、よくしてくれて、
原宿で高い服まで買ってくれて、
あたしの事、大事にしてくれてたんだって。
なのに、その期待は、あっさり裏切られちゃって、、
やっぱり他人を信じると、ロクな事がない。
ムカつく!
サイテー!!
あんなやつ、
あんなやつ!
死ねばいい!!!
わけのわからない動揺と、怒りと、苛立ち。
もう過去の事なのに、その件はすっかり誤解が解けてるっていうのに、栞里ちゃんのブログを読んでると、脳裏にあのときの焦りと後悔が
ぼくは恐る恐る、次の記事をクリックする。
それは自分にとって、かなり衝撃的な内容だった。
つづく
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